猫の脱走や迷子対策として、現在では装着が義務付けられているマイクロチップ。万が一の時に頼りになる存在ですが、飼い主の間でよくある勘違いとして「マイクロチップにはGPSが搭載されており、居場所がわかる」というものがあります。
マイクロチップが迷子対策として有効であることに間違いはありませんが、これを装着すれば迷子になった猫が「どこにいるかスマホでわかる」というものではありません。
本記事では、猫に装着するマイクロチップとGPSの決定的な違い、なぜ埋め込み型の追跡機能が実現できないのかという技術的な背景、そして愛猫を守るための正しい対策について解説します。
目次
猫のマイクロチップに「GPS機能」は搭載されていない
まず結論から申し上げますと、現在普及している猫用のマイクロチップには「GPS機能」は一切搭載されていません。そのため、マイクロチップの情報を遠隔で受信して、猫の現在位置を地図上で特定することは不可能です。
自宅から離れた場所で、何を言っているのか、よくわからないチラシが貼られているのを見つけた。
GPSが入っている…マイクロチップが入っているの間違いでしょうかね。
地域猫を誰かが飼い猫として捕獲したのかしらね。
証拠品?多頭数飼育だから移動禁止?
とある法人団体名の記載あり… pic.twitter.com/6y6tHXNpVz— 絵師 山科理絵 (@cocoritokerm) March 23, 2023
そもそもGPSとは「Global Positioning System(全地球測位システム)」の略称です。地球の上空を周回している複数の人工衛星から発信される電波を受信し、現在地を計算して特定するシステムを指します。
現代では多くの人がスマートフォンを持ち歩いており、地図アプリなどで日常的に位置情報サービスを利用しているため、身近な技術として認識されていますが、これをマイクロチップに組み込むことは別の話となります。
現在の技術ではマイクロチップへの搭載は不可能
スマートフォンにGPSが搭載されているのであれば、もっと小さな装置にも搭載できるのではないか、と考える飼い主の方もいるかもしれません。しかし、動物の体内に埋め込むマイクロチップはスマートフォンの部品よりも遥かに小さく、直径約2mm、長さ約12mm程度の円筒形です。
この極小のガラス管の中に、個体識別番号を記録する機能だけが最低限詰め込まれています。現在の技術では、この米粒のようなサイズの中に、衛星からの電波を受信・計算する複雑なGPS受信機を搭載する余地はありません。
多くの人が誤解しているGPSとマイクロチップの違い
マイクロチップとGPSは、そもそも「役割」が根本的に異なります。
GPSは常に衛星と通信を行い、リアルタイムで情報を更新し続ける「能動的」な装置です。一方でマイクロチップは、それ自体が電波を発したり計算したりすることはできません。専用のリーダー(読み取り機)から発せられる微弱な電波を受けて、一時的に反応し、記録された番号を返すだけの「受動的」な装置です。
機能していれば「今どこにいるか」を特定できるGPSに対し、マイクロチップは「保護された後に、どこの誰の猫か」を特定するための道具です。誰かが迷子猫を保護し、動物病院や保健所へ連れて行くことで、初めてその効果を発揮します。
犬用のマイクロチップとの違い
マイクロチップの装着義務は猫だけでなく、犬に対しても同様に存在します。用と犬用でマイクロチップの性能に違いはあるのか、気になる方も居ることでしょう。
これについても結論は「違いはない」と言えます。犬に装着するマイクロチップも猫用と全く同じ規格・構造のものが使用されており、機能面での差異はありません。装着方法も同様で、専用の注入器を使って首の後ろの皮下に埋め込みます。したがって、犬用のものであっても現時点では「埋め込み型のGPS」は存在しないということになります。
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なぜ「埋め込み型GPS」は実現できないのか?技術的な理由を解説
GPS機能を搭載できれば、マイクロチップはより迷子猫の発見に有用なものとなります。
しかし、現在のマイクロチップにはGPS機能はなく、また埋め込み型GPSも存在しません。
そこで、なぜ埋め込み型GPSは実現しないのか、マイクロチップにGPS機能が無いのはなぜかについて解説していきましょう。
GPSにはバッテリーと電源が必要
GPS機能を搭載する上で最大の壁となるのが「バッテリー(電源)」の存在です。
前述したように、GPSは人工衛星からの電波を受信し続け、位置を計算するために常に電力を消費します。スマートフォンで地図アプリやナビゲーションを使用していると、普段よりもバッテリーの減りが早いと感じた経験があるはずです。これは、位置情報の精度を上げるために複数の衛星と通信を行い、常に情報を更新しているためです。
体内に埋め込むチップの場合、充電コードを繋ぐわけにはいきません。一度埋め込んだら、数年から十数年は交換なしで稼働し続ける必要があります。現在のバッテリー技術では、超小型かつ10年以上も頻繁なGPS通信に耐えられるような大容量電源は存在しません。
マイクロチップのサイズまで小型化できない
実際に市販されている「超小型」と謳われるGPS発信機を調べてみるとわかりますが、どれだけ小さいものでも500円玉数枚分や、消しゴム程度の大きさはあります。これを皮下に埋め込むとなると、猫にとっては非常に大きな異物となり、身体的な負担やストレス、拒絶反応のリスクが跳ね上がります。
マイクロチップが米粒大のサイズである理由は、装着されたペットに違和感を与えず、生体適合ガラスで包むことで安全に体内に留めておくためです。バッテリーや通信アンテナを搭載し、かつ猫の体内に安全に入れられるサイズまで小型化することは、物理的に困難と言わざるを得ません。
マイクロチップに「スマホで読み取り」ができる機能はあるのか?
GPS機能がないのであれば、せめて「迷子猫を見つけた人が、スマホをかざして飼い主情報を読み取る」ことはできないか、と期待する声もあります。
しかし、残念ながらこれも不可能です。マイクロチップに記録されているのは15桁の個体識別番号のみであり、飼い主の住所や氏名そのものがチップに入っているわけではありません。また、マイクロチップの読み取りには特定の周波数帯に対応した「専用リーダー」が必要です。
一般的なスマートフォンには、このマイクロチップの規格を読み取る機能は搭載されていません。また、仮に番号がわかったとしても、そこから飼い主の個人情報を照会できるのは、獣医師や自治体職員など権限を持った人に限られます。スマートフォンをかざすだけで誰でも個人情報が見えてしまうと、プライバシーの流出につながるため、そういった機能が搭載されることは今後も無いでしょう。
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脱走したペットの位置を知りたい人におすすめの代用方法
マイクロチップにはGPS機能が搭載されていない以上、GPS機能を求めるのであればマイクロチップ以外の代用方法を採用する必要があります。
そこで、ここではペット用に販売されているGPSツールを紹介していきましょう。
首輪に取り付ける「GPSタグ」
最も確実な追跡方法は、首輪に取り付けるタイプの「GPS発信機」や、GPS機能が内蔵された首輪を使用することです。 これらの製品は、独自の通信回線やスマートフォンのアプリを利用して、地図上でペットの現在地を表示することができます。リアルタイムで移動経路がわかるものもあり、マイクロチップよりも直接的かつ迅速に発見につながるツールと言えます。
脱走から帰還した4女猫。
・首輪を取れにくいタイプ(犬用)に交換。
・首輪にGPSタグを取り付け。もう外に行かないでね・・・。
あとは家の対策も進め中・・・。 pic.twitter.com/cNQd8Kq0lx— きき@中国→日本 (@kinakinayyy) July 15, 2025
また、GPSとは仕組みが異なりますが、Bluetooth機能を利用した「紛失防止タグ(スマートタグ)」も人気があります。こちらはGPS衛星を使わず、周囲にあるスマートフォンなどのデバイスが発するBluetooth電波を拾って位置を特定する仕組みです。GPSタイプに比べて安価で軽量なものが多く、手軽に導入できるのが特徴です。
GPSタグの注意点
非常に便利なGPSタグやスマートタグですが、導入の際にはいくつかの注意点も理解しておく必要があります。
本体に厚みや重さがあるため、猫が首輪を嫌がったり、動きの邪魔になることがある
GPSを利用するための月額通信料が発生する場合がある
バッテリー駆動のため、定期的な充電や電池交換が必要(いざという時に電池切れのリスクがある)
首輪が外れてしまうと追跡不能になる
特に猫は狭い場所を通り抜ける習性があるため、首輪が枝やフェンスに引っかかって外れる(あるいは事故防止で外れる設計になっている)ことがよくあります。
@user97601394314424
首輪だけがどこかに落ちていて、猫本体の行方がわからないというケースも珍しくありません。あくまで対策の一つとして捉え、これさえあれば完璧と過信しないことが大切です。
確実に猫の場所を見つけるにはマイクロチップとGPSの併用がおすすめ
迷子猫の捜索において、早期発見は何よりも重要です。 「首輪型のGPS」は、脱走直後の移動ルートや現在地を知るための対策です。一方「マイクロチップ」は、首輪が外れてしまった後や、誰かに保護された際に確実に家に戻れるようにするための対策です。
どちらか一方だけではなく、両方を併用することで、万が一の事態における発見率と帰還率を最大化することができます。
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GPS機能が無くてもマイクロチップは装着すべき?
GPS機能がないのであれば、マイクロチップを入れる意味はないのでは?と疑問に思う飼い主の方もいるかもしれません。しかし、マイクロチップにはGPSとは異なる重要な役割があります。
現在、犬猫の販売業者にはマイクロチップの装着が義務付けられており、これからペットショップやブリーダーからお迎えする子はすでに装着済みとなっています。一方、以前から飼育している場合や、譲渡会などから迎える場合は、飼い主の判断(努力義務)に委ねられることがあります。
マイクロチップはペットの「身分証」
マイクロチップの最大の役割は、外れることのない永久的な「身分証」であるという点です。 データベースに登録された情報を照会することで、その猫の飼い主が誰であるか、連絡先はどこかを即座に割り出すことができます。
例えば、迷子になった猫が運良く保護され、動物病院や愛護センターに持ち込まれたとします。この時、首輪が外れていてもマイクロチップが入っていれば、リーダーで読み取るだけですぐに飼い主に連絡がいきます。 逆に、マイクロチップがないと、保護されても「飼い主不明」として扱われ、最悪の場合は殺処分や別の家への譲渡といった悲しい結末になる可能性もあります。
ただし、このシステムは「登録情報が最新であること」が前提です。引っ越しで住所が変わったり、電話番号が変わった場合は、必ず登録情報の変更手続きを行ってください。情報が古いままでは、せっかく発見されても連絡が届かず、装着した意味がなくなってしまいます。
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もしも猫が脱走してしまったら?「発見」と「捕獲」の難しさの違い
ここまで、発見をサポートするツールについて解説してきましたが、実際の猫探しは「場所がわかる」だけでは解決しないことが多々あります。 特に猫は、犬と比較しても捕獲の難易度が高い動物です。
犬であれば名前を呼べば戻ってくることもありますが、猫はパニック状態になると飼い主の声にも反応せず、物陰に潜んでじっとしてしまいます。また、GPSで「このエリアにいる」とわかっても、人間が入れない床下や高所にいたり、捕まえようとすると驚いてさらに遠くへ逃げてしまうこともあります。
発見する技術と、安全に保護する技術は別物です。見つけたけれど捕まえられない、あるいはどうしても見つからない時は、無理に追いかけずプロの手を借りることも検討してください。
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脱走した猫を早期に発見・捕獲するなら「猫探偵センター」がおすすめ!

もしもペットが行方不明になったら、猫探しのプロフェッショナルである「猫探偵センター」のご利用を検討してみてください。
猫探偵センターは保護率89%、保護件数1,000以上を誇る猫探し専門のプロフェッショナルであり、全国対応と即時調査がウリのサービスです。
猫探しはスピードが大事であり、早期発見のため猫探偵センターでは24時間の連絡相談を受け付けており、無料相談やアドバイスにも対応しています。
猫探偵センターでは以下の手順で猫の捜索を行っており、迅速かつ丁寧に猫の発見を手助けします。
- 状況ヒアリング
- 捜査範囲の決定
- えさや暗視カメラの接地
- ポスティングや聞き込みによる情報収集
- 居場所が判明したら捕獲機の設置・捕獲
迷子になったペットは日に日に遠くに離れて行ってしまう可能性が高いため、いずれ見つかるだろうと放置していると、発見が困難になるだけでなく事故にあうリスクも増していきます。
ペットが脱走してしまった時は、ぜひ猫探偵センターへ相談してください。
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まとめ
猫のマイクロチップとGPSについての関係性について解説していきました。
今回の記事の内容をまとめると以下の通りになります。
- 猫用マイクロチップにGPS機能は非搭載、位置情報の追跡は不可能
- バッテリーやサイズ等の技術的制約により、埋め込み型GPSの実現は困難
- スマホでの読み取りも不可、あくまで個体識別の「身分証」としての役割のみ
- 位置特定には首輪型GPSタグが有効だが、脱落のリスクもあり過信は禁物
- 発見しても捕獲が困難な場合があるため、猫捜索専門の業者を利用するのがおすすめ
猫のマイクロチップには、残念ながらGPS機能は搭載されておらず、スマートフォンのように位置情報を追跡することはできません。これはバッテリーやサイズといった技術的な制約によるもので、犬用であっても同様です。
しかし、マイクロチップは「確実な身分証明」として、保護された際に家に戻れる可能性を飛躍的に高めてくれる重要なアイテムです。脱走対策としては、マイクロチップの装着を基本としつつ、位置情報を把握したい場合は首輪型のGPSタグなどを併用するのがベストな選択です。
そして、万が一迷子になってしまった場合は、ツールの力だけでなく、専門知識を持ったプロの手を借りることで、愛猫との再会をより確実なものにできます。日頃からの備えと、正しい知識を持って、大切な愛猫を守ってあげましょう。





